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【NOFIAの体験談】初期アフター時代
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わたくしの初期アフター時代
※本来はコラム用に書いたものですが、内容がモロにアフター関連だったので、こちらに掲載しました。
久々にあるキャバクラ嬢から電話をもらいました。
ま、営業です。
営業自体にはいろいろと事情もあって乗れなかったのですけれど、彼女との昔の「アフター心理戦」のことを思い出して、ちょっと懐かしくて、一人笑っていました。
だいぶん昔の話です。まだ、そんなにキャバクラに行っていた頃ではなくて、「外に誘いたいんだけど、どう切り出していいのか分からない」状態の時でした。
まだ、アフターもほとんどしたことがなかった頃です。
何度か指名で行っていたある日、「今日こそ誘おう」と心に決め、閉店狙いでその店に行きました。彼女は指名が重なっていて、あまり一緒にはいられなかったのですが、席に来てしばらく経った頃、
「今日さ……この後、飲みに行かない?」
と恐る恐る切り出してみました。彼女はちょっと考えた後、
「いいよ」
と言ってくれました。
この時点で、私の頭にある考えはとても生臭いものだったと思います。
(A)飲みに行く→(B)どっか行っちゃう→(C)何かヤッちゃう
という図式が出来ていたはずです。
もちろん、彼女の方はそんなわけがありません。彼女サイドとしては、(A)だけで終わりたいと思っているはずです。大体はどんな女の子でもそうです。こち
らとしては、何としてでも(B)→(C)と進んで行きたい。女の子としては何ととしてでも(A)段階で終わらせなければならない。そういう図式がお互いの
頭の中で出来上がっているわけです。
そんなわけで、大体の初めての女の子とのアフターの場合は、(A)と(B)の間で攻防、あるいは心理戦などが行われることが多いと思われます。
この日もお互いの巧みな攻防と奸計と利害に満ち溢れた典型的な一夜になりました。
とにかく閉店までいて、外で待ち合わせたわけですが、再会した時点ですでに攻防は始まっています。まだ、段階として(A)にも至っていない段階です。
こちらとしては「できるだけ酔ってほしい」と思っているし、向こうとしては「できるだけそれは避けたい」という気持ちがあるはずです。そんなわけで、行く店選びからして軽い攻防戦があるわけですね。
「さあ……どこに飲みに行こうか……」
「んー……っていうか、ちょっとお腹空いたから、何か食べたいなあ、とか」
「そう……だねえ。じゃあ、食べ物のある居酒屋さんとかの方がいいかな……」
「えー……とお……。焼き肉なんかもいいかな……」
「あー……それもいいねえ。でも、ちょっと飲み足りないかなあ……」
「うー……ん。じゃあ、居酒屋でもいいけどお……」
と、全面的に「……」が飛び散る攻防ぶりです。
結局は居酒屋に決めて、とりあえず飲みに行きました。やっと(A)に辿り着いたわけですが、ここでも安心できるわけではありません。まあ、店に入ってしま
えば、それはそれでもう飲むしかないわけですが、入店した時点から次の行動への基本戦略が私の頭の中を駆けめぐっているわけです。
その気持ちがさりげなく台詞にも含まれたりします。
「今は……ああもう3時か……」
「そうね……3時ね」
「っていうか、まだ3時か……」
「そうね……」
「早い……時間だね」
「そう……かな?」
と、ぎこちない会話が繰り返されます。もっと気楽に楽しめばいいものを、やはりこの頃は力んでいたんでしょうね。
アフターしたなら絶対に成果(なんでしょうね「成果」って)を上げなきゃならん! という気持ちが強い時代だった気がします。
とりあえず(A)までは現時点で来ているわけだから、次に目指すのは(B)です。つまり「どっか」に行かなければなりません。
1時間30分ほどで居酒屋を出ました。さあ、(B)の時代です(何の時代だ)。
居酒屋の外に出て、
「あー……ごちそうさま」
「うん……で……どうしようか?」
「う……ん?」
「えー……と、これで……んーと……帰っちゃう?」
「うー……ん、明日ちょっと早いしー」
「あー……そう。でも、もうちょっとどっか行きたいね」
「う……ん……いいけど……」
「え? ほんと?」
「じゃー……カラオケ行く?」
「あー………………それも……いいね」
「どっか」には行くことになりましたが、ちょっとズレが生じてしまいました。私の頭に描かれていた「どっか」はカラオケ屋ではありません。
これは厳密には(B)には至ってはいません。
そして、時間的にも精神的にも長い長い(A)と(B)の間をわれわれは漂うことになりました。
さほど歌いたくもないカラオケで1時間ほど過ごして、店を出た頃にはすでに始発の電車が通り始めてもいい時間でした。
「あー……もうすぐ始発だね」
「そう……ね」
さすがに私も体力的にも精神的にも疲れてきました。相手も若いとはいえ、同じだと思います。今回は諦めようと思って「帰宅宣言」をしようとした瞬間、
「また……ちょっとお腹空いちゃったかも」
などと、彼女はとんでもないことを口走ったのです。
ここでまた私に「(B)に行き着かなければ」の意識が戻ってきてしまったわけです。
「じゃあ……どこか……」
とはいっても、さすがにこの時間になると、お酒を飲むにも何かを食べるにも、営業しているお店など予想つきません。
負けた。
素直にそう思いました。
何が負けたかというと、相手の「もう一軒宣言」に対して、こちらから「帰ろうか」と言わなければならないハメになったわけです。つまり、相手の女の子は現
時点では「何も拒絶していない」わけです。こちらから勝手に誘って勝手に帰宅宣言をしているという状態のわけで、アドバンテージは彼女にあるわけなのでした。
まあ、もっと違う考え方をしてもいいのですが、この時はそう思わざるを得ませんでした。
結局お互いにタクシーに乗って、この日は帰りました。
今思えば、何だか30年前の高校生のアベックじみた朴訥な話ですけど、私の初期のアフターは大体こんなものでした。
じゃ、今は違うのかというと、そんなに大差はありません。ただ、もっとすっ
きりしていることが多いのは事実です。最初から(A)段階だけでいいや、と思う時はかなり淡泊に(A)だけで終わらせるし……いや、こう書くと(B)や
(C)の時も結構あるんじゃねえか、と言われてしまいそうですけれど、まあそれはアレです。
それにしても、ふだんの生活で女の子を飲みに誘う時はもっとストレートで大胆なのに、キャバクラ嬢相手になると、なぜかいろいろと考え込んだり策略を立てたりするのは不思議ですね。
なんでなんでしょう。
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