NOFIA'S COLUMN

出会い


普通、キャバクラで指名する女の子(世間ではオキニと呼ばれる存在です)ができる過程で絶対必要なのは「出会い」です。
あまりにも当たり前のことを書いているようですが、出会いがなければ絶対にオキニというものは出現しません。
気に入った女の子と知り合い、そして何度か会っているうちに指名は本格的になり、その子との指名ライフが始まっていくのが普通です。これは一度、指名ライ フに入ってしまえば、当然のようにそのサイクルが続いていくことになるわけですが、出会いはあくまでも「偶然」なわけです。
まさか「必然的にキミとボクは知り合ったんだ」などと思うような人はいないでしょう。
ルックスでも性格でもどちらでも構いませんが、偶然、自分の波長と合う人がフリーでつく。

それがすべての始まりのはずです。

3年前、あるいはそれ以前、もしかしたら、私はそういう偶然(結果的にいいか悪いかは別にして)に恵まれ過ぎていただけではなかったのかというようなことを思うわけです。
最近、キャバクラがフリー主体で移行しているのは、要するにいい出会いと巡り会えていないからではないか、と。

たかが2年や3年で若者たちの感性が変化していくとは思ってはいませんが、最近、出会う女の子で「ああ、この子はいい」と思える子が全然いないのです。ルックスの問題ではありません。ルックスは今も昔もいい人はたくさんいるし、もちろんそうではない人もいます。
私は比較的、キャバクラ嬢にルックスを求めるタイプではないということは自覚しています。

「なんでこんなの指名してるの?」

と人に言われても不思議ではないような女の子も以前はよく指名していました。
キャバクラが基本的には「懇談しに行く場所」であるということから考えてみても、ルックスがいくらよくても、話が合わなければどうしようもありません。
そして、昔はこの「話の合う子」という女性たちとの偶然の出会いが非常に多かったのです。

昔、指定していた女の子たち。

それは最大の時で同時にいろいろな街に5人から6人を抱えていました。
自分でも「こんなにオキニ作ってどうすんだよ!」という思いも当然あったのですが、どれもどうしても切ることができない人たちでした。
そして、その人たちには共通点がありました。

その共通点とは「人生に対するやるせなさを持っている」という点でした。

具体的な共通点の方でいえば、ほぼすべての女の子が高校を中退していました。ひとりを除いて、みんな高校をやめてすぐに水商売に入った人たちでした。
そして、中学、高校時代と荒れた青春を送っていた人たちでした。
ヤクザの娘だった女の子もいたし、ヒモに貢いでいた女の子もいました。元暴走族だった子もいたし、その時点でまだ覚醒剤にハマッてる人さえいました。
年齢は一番若くて16歳(違法ですね)、上で28歳でした。
もちろん、そういう身の上話を初めて会った時に話してくれる人などいるわけがありませんが、最初に会った時に場内などで指名をして、そのままオキニとなった女性たちが偶然そういう人ばかりだったんです。

不思議といえば不思議な話でもあります。

もちろん、今の時代の若い女の子がどんな荒れた生活をしていてもさほど不思議ではないのかもしれませんが、しかし、現実にキャバクラの女性たちと多く知り合うと、実際にはキャバクラにはごく普通の女の子の方が多い、ということはすぐにわかります。
ちなみに、私自身、特に「荒れた女の子が好き」というわけではありません。気に入った女の子たちが偶然そういう生い立ちだったというだけです。
むしろ、そういう荒れた生い立ちの女性たちには恐怖を感じるタイプの人でさえあります。
ま、だから不思議だなあと思っているわけですが。

そして‥‥これは私の主観が入った意見ですが、みんな、本当にいい人でした(例外はありますけど)。

少なくとも、私に不快な思いをさせたことのある人はいませんでした。
私もボーッとした性格なので、気づかないいろいろなことはあったのでしょうけれど。

私はあまり運命論とかオカルト的な話は好きではないのですが、そういう人たちと知り合う時は一発目の出会いでその後がすべて決まったようなものでした。
彼女たちの何人かは私の指名している途中でキャバ嬢を辞めていきました。
何人かは今でもやっています。
しばらく連絡を取っていた人もいますけれど、私の方にもいろいろなことがあって、連絡先を告知なしに変えてしまってからは、そのほとんどの人からは音信はありません。
いや、別にこちらからではなくとも、キャバ嬢とお客さんというのはその関係が自然に消えていく人間関係ではあるはずです。

だからこそ、「出会いの次にまた出会い」という連綿とした脈絡が必要なわけで、それがあれば、私は今でも当時と同じ遊び方をしていたのかもしれません。
ところが、そういう出会いがまったくなくなってしまったのです。

なぜなのかはわかりません。
でも、一番考えられることは、それも単なる偶然ということでしょう。
人と出会うことも偶然なら、「出会わない」こともやはり偶然なのだと思います。

でも、今はそれでよかったとも思っています。
人間はいつまでも5人とか6人の異性と人間関係を等しく持ち続けられるほど逞しくはないはずです。
一瞬だからこそ可能なんです。