フリーでGO! 2002サマー
夏。
最近はとにかく夏の暑さが異常になってきています。
そんなわけで、ビールなどを飲むことも多くなるのですが、先日も友人と焼き鳥屋でビールを飲んでいました。
そして、ある程度飲んだ頃、その友人が何気なく「キャバでも……行ってみようか」と言い出したのです。
私は彼の顔を見ました。
それは冗談や酔狂ではなく、まさに真剣な表情でした。
私たちは見合いました。
そして、
「行こう」
と、力強く宣言したのであります。
……とまあ、たかがキャバに行くにしては妙に重々しくて仰々しい出だしですが、これにも理由があります。
ホームページを全然更新していないことを見ても分かると思いますが、
私はここ1年というもの、さっぱりキャバクラに行っていなかったのです。
理由はいろいろとあります。
複数の理由が重なって現在に至っているという事実もあります。
いずれにしても、友人の付き合いで2〜3度行った以外は自分の意志でキャバクラに行くという習慣が消えていました。
それだけに、たかがキャバクラに行くといっても気合いや力を入れなければならないということになるわけです。
この日も「まあ、友人の付き合いかな」という程度の軽い気持ちだったのですが、
結果的には一晩で5軒をハシゴし、3万円近い散財を果たすという昔さながらの惨状を呈してしまいました。
再開した「MINA」を全然書いていないということもあるし、
自らへの戒めのためにもこの日のことを記しておきたいと思います。
それにしても、コラムを書くのは久しぶりです。
最後に自分の意志で行ったお店は多分、「ジュネス」という吉祥寺のお店で、昨年の夏だと記憶しています。
昨日わかったのですが、そのジュネスはすでになく「アネックス」というお店に変わっていました。
たった1年とはいえ、微妙な部分で様々な変化が起きているようです。
ともあれ、「フリーでGO! 2002年・夏編」です。
仰々しくタイトルをつけてはいますが、要するにダラダラとフリーでキャバに入り続けただけの話です。
吉祥寺到着は8時30分頃。
友人が「今の時間なら適当に歩けば安い料金で声かけてくるはず」と言うので、
とりあえずは北口を適当に歩いてみることにしました。
「キャバクラを探している」というオーラが私たちから出ているのでしょうか。
もう、客引きたちの寄ってくること寄ってくること。
「3000円でどうっすか」
「今のお時間でしたら4000円で」
「生つけますよ」
様々な客引きたちの誘いを一度すべて断り、私は久々の吉祥寺北口を歩いてみました。
以前は近鉄裏と呼ばれたこの一帯も、今は近鉄デパート自体がないので、なんとなく「北口」という味気ない名称に変わってきています。
「三越裏」という呼び方は誰もしないようです。
グルッと北口を一周して、再び北口交差点に戻ってきました。
これから本格的に店選びです。
我々の目的はただひとつ。
「なるべく安く、なるべく可愛い女の子のいるお店に行きたい」。
それだけです。
そんな中で我々の注目を引いた客引きがいました。
普通、夏は客引きといえども、黒服は着ないものですが、この暑い中、黒服を着て客引きを行っている男の人がいました。
夏も黒服を着させているという事実はお店のある程度の規律の厳しさを物語っているとも言えます。
彼はツツッと寄ってきて「普段は6千円なんですけど、半額の3千円でどうです?」と言ってきました。
その店は「シェーカー」という店名でした。
私は行ったことのないお店です。
午後8時の通常料金が6千円とは強気ですが、値引き率も50%となかなか強気です。
「金曜なんすけど、どうも(客の)入りが悪いんすよ」
と彼は語っていました。
聞けば、店はセイリングのチェーンということで、それならそれほどハズレもなかろうということで、
彼の誘いに乗り、そのシェーカーというお店に行ってみました。
場所は近鉄裏ではなく、以前、GOOなどのあった通りで、
例の「吉祥寺ソープランド」のすぐ側です。
案内された店内は赤っぽい店内装飾が目を引く作りで、かなり華やかな感じでした。
心華やぐ、はホメすぎでしょうが、薄暗い雰囲気でないことが好印象を持つことができるお店だと思います。
ただ、入り口のところに女の子の顔写真が貼ってあり、その写真で写真指名をできるあたりは、友人曰く「ピンサロみたいだな」とのことであります。
我々は写真は見ず、まっすぐに席に向かいました。
ボーイさんがやってきて「うちはコールがありませんので、お客様の方でチェックよろしくお願いします」と告げられました。
つまり、自動延長ということです。
ま、今の段階ではさほど酔ってはいないので、自動延長も恐れることはないでしょう。
(泥酔している時の自動延長ほど恐ろしいものはないということもまた事実です)
ほどなく、女の子がやってきました。
私はキャバクラ界の客として、今までたくさんの明暗を見てきましたが、今回、その明暗の歴史にひとつ新しいストーリーが加わりました。
ちなみに勝者は私です。
私のところに来た女の子を見て、私は一瞬アセりました。
3千円で入った客につける女の子に期待などする方がおかしいのですが、私のところに来た女の子はあからさまに「キャバクラ嬢レベル」でのトップクラスの女の子でした。
私は芸能人に疎いのですが、モーニング娘。の誰かに酷似した実に可愛い女性です。
彼女は「こんにちはー」と笑顔で握手をしてきて、私の横に座りました。
この感覚。
「これこれ。こうじゃなくちゃ」と私は楽しくその1時間を開始しようとしていました。
ふと友人の方を見てみました。
そして、それ以降「私は友人の方は見ないことにしよう」と思いました。
そこには、一般的にいうおばさんが座っていました。
しかし、友達の引きの悪さより、今は自分の引きの強さを素直に喜ぶべきだと思いました。
私についた女の子は20歳で、キャバ歴は5ヶ月だと言っていました。
私が最初に取った行動は「速攻で場内指名」でした。
あまりの速攻性に彼女も驚いていましたが、
「いいのが手に入ったら、すぐ確保」はキャバクラ遊びでの基本です。
しかし、さすがに可愛いだけあって、指名がいくつも重なっているようで、彼女はたびたびいなくなりました。
そのたびにヘルプさんがつきましたが、その間は意識を失って過ごしました。
で、結局、一回(30分単位)延長して、一人8千円でめでたくお店を出ました。
この子に関しては営業があったら、行ってしまいそうな気がします。
さて次。
北口を歩いていて、次に客引きに誘われて入ったのが「B」(店名は伏せましょう)という店です。
さきほどの店が華やかだったせいか、この店の陰惨な暗い雰囲気に私たちは圧倒されました。
そして、私は多分自己調節で意識を失ったのでしょう。
どんな女の子がついたのか。
どんなことがおこなわれたのか。
などをまるで覚えていません。
当然、1時間で撤退。
「こんなことなら最初の店で延長してりゃ良かったかな」
と話し合いつつも、逆に収まりがつかなくなってきました。
「久しぶりにシルクでも行ってみっか」
という流れに何となくなりました。
「しかし、シルク、安くないよ」
などと話し合っている時に、私にある救世主から電話がかかってきました。
彼は私たちの友人で、今では「シルクロードのドン」と呼ばれている人物です。
3年間に渡って、シルクに通い続けています。
そして、サラリーマンでありながら、ギャンブルの帝王とも呼ばれていて、
いつもポケットには数十万円入っているという噂もあります。
その彼から私に電話があったのです。
事情を話すと、
「1時間ならおごりましょうか」
と言ってくれたのです。
これはまさに救いの一言。
いずれにしても、シルクの最初の1時間はただで楽しむことができる可能性が出てきたのです。
シルクロード。
それは2年ほど前まで私にとって様々なドラマが起こっていたお店です。
シルクに行くのは1年半ぶりくらいでしょうか。
南口の方に行き、先の友人と落ち合いました。
そして、シルクの近くまでいくと、シルクの客引きさんは当時と同じでした。
「あ、○○さん、お久しぶりです」
と、私の名前を覚えていました。
「今日はどちらへ?」
「シルクです」
「それはありがとうございます」
ということで、シルクロードへと入店。
久々に入ったシルク。
何となく、以前より照明が暗くなったような気はしましたが、それでも基本的な雰囲気は何ひとつ変わっていませんでした。
私についた女の子も、まあそこそこ、まあほどほど、というような感じの女の子で、決して悪くはありませんでした。
しかし、すでに焼き鳥屋→キャバクラ2軒でバカ飲みを続けていて、このあたりでは泥酔だったのではないでしょうか。
何をしていたのかはよく覚えていません。
ここも1時間。
普通はこれで終わりでしょう。
しかし、これでは終わりませんでした。
店の外に出ると、見覚えのある一人の青年が声をかけてきました。
以前、コラム「フィリピンナイト」で書いた、中国人の留学生客引きです。
「久しぶりですね」
「大学ちゃんと行ってる?」
「行ってますね。あと2年ありますから」
というわけで、彼は大学卒業までの残り2年間の生活費をすべて、ここでの客引きでまかなうつもりのようです。
卒業後、このままこのお店に就職しなければいいですが。
彼の勧誘で結局、このお店に入りましたが、入って驚きました。
このお店はすでにフィリピンパブではなくなっていたのです。
ざっと見回すだけでも、東アジア系、東南アジア系、金髪の白人、南米系と思われる女性、日本人らしい人、などが入り組んでいました。
フィリピンパブではなく、国際パブといった趣がありました。
あとでちゃんと聞くと、東アジア系は中国人たち、東南アジア系はフィリピン人、白人はルーマニア人、南米系はコロンビア人、あとは若干の日本人という構成ということでした。
私についたのは上海からやってきた中国人で、留学生でした。日本語がきわめて上手で、普通に会話している分には日本人と大差ないほどのレベルです。
友人についたのはフィリピン人で、これがまたアタック系のすごい接客をする人で、友人はキスはされるわ、腕ゃ胸(!)を吸われるわ、のめちゃくちゃな接客を受けていました。
私についた中国人女性はとても奥ゆかしい人で、かなりまったりとした時間を過ごすことができましたが、その奥ではコロンビア人が叫んだりもしていて「ああ、やはりここはただの店ではないのだ」と認識させてくれるのでした。
料金は相変わらず安くて、2時間近くいて6千円くらいだったでしょうか。
さすがに疲れ果てて、私たちはここで帰宅することに決めました。
それにしても、女の子たちの変遷は確かに激しいものがありますが、客引きやボーイさんたちは3年前から同じような人々によって構成されているような感じもないではない吉祥寺キャバクラシーンでした。