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フリーでGO! ちょっと違反
まあ、激烈なキャバ通いの時代というものは確かに私の中では終焉を迎えたわけですけれど、それでも、じゃあ行ってないのか、と言われると、「いや、そうでもないんです」ということになります。それが私の近況です。
頻度としては2週間に一度とかその程度のものなのですが、飲んだ流れで一人になった時などに自然にキャバに向かっている自分がいるのは事実です。
かつてのように「意気揚々と」という感じではなくて、なんとなく淡々と向かっているというのもまた事実なわけですが、行けば行ったで、いつでもほどほどに
は楽しいわけではあります。ただ、以前と違うのは、翌朝などに昨晩、自分が使った金額などを改めて知り、少し後悔してしまうということくらいでしょうか。
昔はどんなに浪費しても後悔などしませんでした。
前置きが長くなりましたが、久々にフリーの記録などでも書きたいと思います。
実際には、今、私には2人ほどの指名できる女性がいます。そういうことについて書いた方が面白いとは思うのですが、何しろ、指名とは
いえ、行く頻度が少なすぎるのです。一人は地元の西荻窪のキャバクラの女の子で、営業電話などはたまにくれるのですが、なかなか折り合いが合わなくて(週
2度ほどの出勤の子)、ほとんど指名する機会に恵まれません。それ以前に、この店は私の家から近すぎる場所にあるというのもなかなかに問題があります。徒
歩3分で行ける店なのです。「そりゃいいじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、キャバクラというのは一種の非日常を味わいに行くものです。何だ
か、徒歩3分のキャバクラ(しかも、さほど安くもない)にわざわざ大枚払って行く必要があるのかという意識がどうやらあるようです。
ああ、また前置きになってしまいました。今度こそ本題です。
この日は私は西荻で午前12時前くらいまで一人で飲んでいました。それで、まあ、帰ろうかどうかと考えている時に、今日全然見ていな
かった携帯を見てみると、吉祥寺のお店の女の子からメールが入っていることに気付きました。内容はどうでもいいですが、端的に営業メールです。
この営業メールをくれた子も、何というか気が長いというか、商売っが薄いというのか、実は初めて会ったのが今年の3月頃で、今は6月の中旬ですから、3ヶ
月以上経っていることになります。しかし、実は最初に行った後には、その1ヶ月後に一度、しかも1時間指名で行っただけの女の子でした。
要するに3ヶ月で一回だけ指名した客というだけなのですが、この子は律儀にメールを送り続けてくれていて、これがもう何十通目かのメールになるはずです。
「うーん、そういえばなあ……。こういうのは……行くべきなのかなあ」
などと考えつつも、考えるも何もなく、私は吉祥寺行きの電車に乗り込んでいました。
そういう意味では実は今回は厳密には「フリーでGO」ではないんですが、まあ、そのへんはまあええじゃないか、ということで。
吉祥寺着午前12時過ぎ。
私が駅に降り立つと、いきなりMという店の顔見知りのボーイさんが寄ってきました。
「久しぶりですね。今日はご予定は?」
「いや、今日はホントちょっと行くところあるから、後で」
といって、私はメールの彼女の店へ向かいました。南口にあるアラジンという店です。ディズニー系列の南口店のひとつで、私の記憶では大昔はここはスーツ系のユニフォームだったような気もするのですが、今はチャイナがユニフォームとなっています。
このビルは地下にもキャバクラがあって、そこもチャイナだったはずで、吉祥寺はどうも何だかチャイナ合戦が進行しているような感じもしないでもありません。
アラジンのドアを開けると、割と広い店内に客は二組……というか、二人だけでした。
あとは待機の女の子が5〜6人座っています。ボーイさんに「Kさん指名で」と告げると、私は待機席のすぐ横の方に案内されました。パッと見た感じではそこにKさんはいません。
要するに、Kさんは二人しかいないお客のどちらかについているということになります。
こういうことは昔からよくありました。
予想通りに、ヘルプの女の子が来ました。
ちなみに、この店のいいところは女の子が来る前に客用のグラスとは別に、最初からウーロン茶の入っているレディースグラスを持ってく
ることです。レディースドリンクで悩ませるということをしないのは大変に素晴らしいと思いました。まあ、指名の女の子にはどうせ一杯は奢らなければいけな
いわけですけれど。
ヘルプで来た女の子は27歳とのことで、まあもちろんこの世界では若くはないのですが、出身が私と同じ北海道ということで多少は盛り上がりつつ、10分ほどして、「○○さん、お願いします」ということで交代。指名の子がやって来ることになりました。
指名の子はなぜかニヤニヤとこちらを見ながら私の横を通り過ぎ、いったん事務所みたいなところに入ってから私のところにやって来ました。
4ヶ月近くにもなるメールのやり取りをしていたくせに、これで合うのが3回目です。
この時は私もそんなに酔っていなかったせいもあって、彼女をしみじみと見ましたが、悪い意味ではなく「こんな子だっけ?」と思っていました。
ルックスは……いい意味では癒し系、わかりやすくいえばユルい顔……。瀬川瑛子を30歳若くして可愛くしたらこんな感じになるかも、という言い方もできます。
身長は150cmで(本人談)、体重は本人曰く「とにかく30キロ代」ということで、実にもう本当に細いのです。チャイナですから、腕は出ているわけです
が、その細さはハンパなものではありません。後で、本人に断って(もちろん服の上から)腿をさわらせてもらったのですが、腿自体が普通の男性の腕くらいの
感じ。
そんなにヤセているのに、雰囲気として「ガリガリ」という感じがしないのは不思議でした。
別にダイエットなどをしているわけではなくて、ずっとそうだったそうです。
ただ、
「私、肉を食べることができないの」
とは言っていました。
この子は完全に他の2人の客と指名が重なっているようで、たびたび出ていきました。そして、その度にヘルプの子がつきました。全体としてはヘルプの女の子
といた時間の方が多かったような気もするのですが、それはそれで仕方ないことです。私は1時間でこの店を出ることにしました。延長しても、同じ展開が続く
と思われたのと、それ以上に、途中で20代中盤らしき4人組の男たちが入ってきたというのもありました。若い男性のグループは大騒ぎになりがちで、しか
も、私の隣の席です。ここは中年の私が素直に途中退場というのが正しいでしょう。
Kさんは私がエレベータで降りたあと(店は2階)、階段で駆け下りてきて、「ありがとう。またね」と言って握手してくれました。まあ、誰でもできることですが、こういう細やかな仕草が後々の営業成果に大きく差をつける結果となるはずです。
店とは違い、階段は蛍光灯が煌々と灯っています。
「あのさ、明るいところで見るとさ」
「何?」
「あ……いや、いいや」
「言ってよ」
「結構、化粧濃いね」
「……何よそれ」
「いや、悪い意味じゃなくて、きれいだってこと」
「確かに結構、厚化粧なんだけどね」
と言って、彼女は笑顔で私を見送ってくれました。本来は彼女に会うことが目的だったのですから、これで帰れば問題は何もありません。
時計を見てみると、1時を越えていました。もう電車はありません。
ちょっと考えていると、スッと客引きが寄ってきました。私はあまり応じる気がありませんでした。
「いや、もう、ちょっと……」
「ラスト1時間半ほどなんで、30分サービスして5000円で」
「いや、だから、本当にもう……」
「じゃあ、4000円で」
「どこですか?」
「I(この店は仮名で)です」
「……」
実は私は2週間ほど前にI店に行っていました。そして、そこで場内指名を敢行してしまっていたのです。
久々の場内指名でした。
つまり、この店に行くということは、その女の子に対して指名で入るということを意味しています。しかも、その女の子はいろんな意味で別のコラムで独立して
書きたいくらいにいろいろとスゴイ(悪い意味ではない)子で、また会いたいという意志はあったのですが、向こうから営業があるわけでもなし、何となくその
ままの状態という感じでした。
私はいろいろ考えて、こういう提案をしてみました。
「Nさんっている?」
「ああ、今日いますよ」
「あなたのいうフリーでラストまでで4千円っていうのには乗る」
「ありがとうございます」
「でさ」
「なんですか?」
「どうせ、もうラストなんでしょ?」
「ええ」
「ローテーションの中にNさんをフリーとして回してくれない?」
「……え?」
「できない?」
「指名ではなく、ですか?」
「そう。だめ?」
「いえ……あの……」
「できなかったらそれでもいいんだけど、もしできたら」
ワガママなことを言ってますが、何だか指名するのは癪だという部分があったことは否めません。
そのままI店に入店しました。
最初は私が無料指名を要求したNさんは来ませんでした。
しかし、かなり話の面白い女の子で、それはそれなりに楽しく過ごしておりました。
そして二人目。
私がボーイさんに要求したNさんがやって来たのです。
私の「指名しないで指名嬢を獲得する作戦」は成功したようです。
この子の何がスゴクて面白いのかということは、また機会があればいずれ書きましょう。
端的にいえば、異常に若く見えて、相当のオタクで、コスプレ中毒である……というような女の子なのです。
この子と店の閉店まで1時間ほど話したでしょうか。
まあ、何を話していたのかはよくわかりまんが、何となくまたこの子とは会いそうな気もします。
店を出て、午前3時くらいでしたでしょうか。
さすがに帰ろうと、タクシー乗り場の方に歩いて行ったのですが、ふと、北口の様子が気になってきました。少し北口の様子を見てから帰ろうと思いました。
吉祥寺北口は午前2時くらいで終わる店も多く、そんなに客引きの数は多くなかったのですが、そのうちの一人が私に声をかけてきました。
「最後、もう一軒どうですか?」
「いくらですか?」
「税込みで7千7百円になります」
「あ、いいや。じゃまた」
「あ、じゃあ5千円ぽっきりで」
「いや、また来るから」
「4千円込み込みで!」
「……」
ものすごいダンピングの仕方ですが、閉店間際の時間ではよくあることです。
私は結局、この北口のBという店に行き、二人の女の子と話をしました。
店を出ると、外は明け方というより、完全な朝でした。
「6月ってこの時間はもうこんなに明るいのか……」
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