ある客引きとの会話
キャバクラ自体とは関係ない話です。
先日、吉祥寺にいたら、顔見知りの客引きに出会いました。声をかけられた時は誰だかわからなかったのですが、
「M(店)にいたんすよ。覚えてませんか? 今度、店移ったんです」と言われて、まあよく見れば確かに会ったことがあるかな、
という青年でした。
金髪で長髪のかなり美形の男性です。
その時は私は知り合いと待ち合わせていて、ガードレールに座ってボーッとしていました。
「いや、今日は人と待ち合わせてるから」というと、何だか知らないけど、その青年も横に座り、何だか疲れた顔をして話しかけてきました。
男「最近……どこ行ってるんですか?」
私「どこって?」
男「お店ですよ。M、まだ行ってるんですか?」
私「いや、あそこはもうあんまり行ってないかな」
男「どこ行ってるんですか?」
私「PとかEあたり……かな」
男「Pですか……いいなあ。ぼくもあそこ行ってみたいですよ。今度連れてって下さいよ」
私「いやだけど……」
男「そうですか」
私「客引きしててもキャバクラは行くわけ?」
男「行きますよ。まあ、吉祥寺だとちょっとバツが悪いですけど」
私「ふーん」
男「そういえば、PってM(彼のいたお店)とすごく仲悪いんですよ」
私「あ、そうなんだ。何で?」
男「それはよく知らないですけど」
私「なんか疲れてるねえ」
男「いやー、楽じゃないっすから」
私「きみ、顔いいしさ、どっちかっていうと、ホストやったらいいんじゃないの?」
男「やってましたよ」
私「あ……そう。やめたの?」
男「キツいっすよ、ホストは。それにババア相手に笑ってるのはもうコリゴリだし」
私「最近はホストクラブにも若い女の子来るっていうけど」
男「そんなに来ないですよ。基本的にはババア」
私「ああ、そう……でも、まあ商売だと割り切って……」
男「イヤっすよ」
私「生理的に受け付けない?」
男「え?」
私「えーと、だから、イヤなものはイヤだ、と」
男「そうっすね」
私「いくつ?」
男「自分っすか?」
私「うん」
男「23っす」
私「若いね」
男「若くないっすよ」
私「あ、ほら、あの人(通行人を指さして)、あの人イケそうだよ」
男「あのオヤジっすか?」
私「うん。だって、客引きを横目でチラチラ見てるもん。あいつ引けるって」
男「今日はダメなんですよね?」
私「え? あ、オレ?」
男「ええ」
私「うん。今日はダメ」
男「そんなこと言ってPに行くんじゃないでしょうね」
私「今日は違うの。行かないよ、どこも」
男「じゃあ、ちょっとやってきますよ」
私「うん。頑張ってね」
男「次、絶対来てくださいね」
私「うん。絶対に行くから」
とまあ、こういうやりとりでした。
思い出して書いているので、詳細は違うとは思いますが、
倦怠感に満ちた彼の表情は印象的でした。
結局、それからその店には行ってませんけど、
がんばれ、M君。