キャバクラ・ドケチ道


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武士道というは死ぬことと見つけたり、とは葉隠からの引用ですが、ケチ道もまた死ぬことと見つけたり、という話です(どんな話だ)。また、ケチ問題とは別に「言い訳」問題や「体裁」問題などもよく現れているので、反面教師として参考にして頂ければ、と思います。

この話は指名されていた女の子自身から聞いた話で、女の子の話にも誇大な部分はあるかもしれませんが、大まかな部分では事実でしょう。

前にコラムに書いた「3千円おじさん」と同じ店の客です。同コラムに書いた通り、この店は午後6時45分〜午後7時まで3千円という料金システムになっています(以後、5千円、7千円とアップしていきます)。
つまり、3千円で入店するにはこの15分の間に入らなければならないのですが、今回のお客さんも当然、いつもこの時間に入店してきます。大体、午後6時50分くらいに入店してくる場合が多いようです。
この時間帯に入ってくる多くのお客さんと同様に、まずこの人も演技をします。

「いやー、仕事の都合でこの時間しか来られなくてさ」

と言います。半年近くこの店に通い続けていて、さらにほとんどいつもこの時間帯にしか入店していないのに、毎回こう言います。そして、やはり決して延長しようとはしません。1時間後にボーイさんから「お時間ですが」コールが来ると、突然、時計を見て、

「あ、やべー。仕事に行かなきゃ」

と言います。この言い訳は違うこともあって、「あ、打ち合わせ忘れてた」とか、急に携帯の留守電を聞き「何だよ、急に呼び出しかよ」とバラエティには富んでいるようですが、とにかく言い訳をして、必ず1時間で帰っていきます。

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ちなみに、この人はオジサンではありません。多分、20代後半であろう、どちらかというと好青年です。
この人の言い訳がウソである、と確信を持って言える理由を女の子たちは知っています。
それは、この人が失業中だからです。
つまり、突然、仕事の電話がかかってくる可能性はほとんどありません

彼にも指名の女の子がいます。しかも、曜日に応じて、3人位いるそうです。
普通、指名したら飲み物の一杯も奢ってあげるのが普通でしょうけれど、彼はそれを決してしません。価値観はそれぞれなので、何ともいえませんが、こういう場合に、

「本当はぼくはね、キミに一杯ごちそうしたいんだけど、こんな早い時間に飲んだら、キミだって後が大変でしょ? だから、キミのことを考えて、ぼくは何も頼まないんだよ

とか

「この仕事はお酒浸りになりやすいから気をつけないと。お水の方がいいと思うな。ほら、注いであげる」

とか、何だか訳の分からない言い訳をして、ドリンクから逃げるのはどういうものかな、とも思います。お金がないなら「お金がないから」と素直に言った方がまだマシという気もするのですが。

ある女の子が彼に「お金がないの?」と訊いてしまったことがあります。すると彼は怒って、

「オレに向かって何言ってるんだよ。今日はちょうどカードも忘れてて……オレはアメリカナイズされているから現金主義じゃないんだよ。カードさえあればオレだって……」

と怒鳴ったそうです。

そして……まあ、これだけなら、ただのケチということで、女の子から好かれないまでも、普通のお客さんとしていられるのでしょうけれど、とにかく口説きます。そして、とにかく自分のことを自慢します。そして更に、とにかく気に入らない女の子の悪口を言い続けます。

ある時、指名した女の子に猛アタックをかけていました。つまり「今度、飲みに行こう」、「今度、デートしよう」という感じのそれですが、その女の子は曖昧ではない性格で「イヤです」とハッキリ言ったそうです。

そうしたら、その日以降、即指名代えして、今度は新しい指名の女の子に「あの女はクソだ」、「オレの良さが分からないなんて信じられない」、「あの女は後悔することになる」と言い続けていたのだそうで、毎回毎回会う度にそれを言われて、新しい指名の女の子もイヤになってしまいました。結果、それまで午後6時30分出勤だったのを、「あの人に指名されたくないから」という理由で、午後8時出勤に変えてしまいました

ちなみに、彼の口癖は

「オレが日本を変える」

だそうで、何だか大変な人物のようなのですが、以前、働いていた会社は単にクビになったのだそうで、彼のハローワーク通いは今も続いています。とりあえず、女の子としては「日本を変えるんでも何でもいいから、ビール一杯飲ませてよ!」というのが素直な想いのようです。

ちなみに、彼が嫌われる原因として挙げられるのは、ケチに加えて、ヘルプについた子も口説く。そして、自分の指名の女の子の悪口を必ずヘルプの女の子に言う、という辺りにもあるかもしれません。女の子同士の中には仲の良い子もいるわけだし、何より待機では一緒に座っているのだから、こういうことはしない方がいいです。

再三書いていることですが、私はお金のないことも仕事をしていないことも全く非難しません。ただ、「もう少し素直になれよ」と言ってあげたいと思います。

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