NOFIA'S COLUMN
既婚者の心理
このホームページを始めた頃、私はまだ独身でした。独身というか、正確にいうとバツイチでした。
その頃の私は、独身者としてキャバクラに通っていたわけです。
ところが、今はそうではありません。
キャバクラでの話題の定型において、女性側から発せられる言葉のひとつとして、
「結婚してるの?」
というものがあります。
まあ、もちろん、これはお客さんの年齢にもよるわけで、50にも60にも見えるようなお客さんに対して訊くかどうかは微妙ですが、
少なくとも、20代から30代のお客さんなら訊かれることの多い質問だと思います。
40代も間近という私もよく訊かれます。
もっとも、この「結婚してるの?」という質問にはさほどの意味などなく、単に場繋ぎの会話でしかないわけですが、それでも、訊かれたならば、
一応は答えなければいけないわけです。
結婚していないならば単に「してない」というだけで済むわけですが、
問題はしてる場合です。
いや、実際には問題もクソもないわけで、結婚しているのなら「結婚している」と言えば済む話ではあるのですが、
このあたりが何となく微妙、そこは何となく曖昧にしたい、その辺りはまあエエじゃないか、と、まあ何だかよくわかりませんが、
いずれにしても、微妙な返答になっていくのは事実です。
私が以前バツイチだった時には、「バツイチ」と堂々と言っていたわけで、
当然、結婚したら、「結婚している」と、自分ではやはり堂々と言うものだと思っていました。
しかし、どうも何だか違うのです。
話は少しそれますが、私がキャバクラデビューをしたのは、もうすでに三十代もすでに中盤が近くなっていた頃で、
時期的には、私がバツイチになった頃とクロスしています。
その前の一度目の結婚時代には驚くことに、私は一度もキャバクラに行ったことがありませんでした。
要するに、結婚した状態でキャバクラに行ったことのない人間だったのです。
独身の時は、自分が今後結婚しようがしまいが、キャバクラにおける自分のスタンスは変わらないはずだ、と思いこんでいました。
しかし、現実はそうでもないのです。
キャバクラ嬢から定型の話題として「結婚は?」と訊かれると、
「ん? まーあれだよ。あの……バツイチっていうか……」
などと曖昧になったりします。そこで、大体、女の子は「ああ、バツイチなんだ」と言ってくれますが、
実際には上の私の言葉の後には、「バツイチっていうか……まあ、結婚してるんだけどさ」の部分が省略されています。
なぜだか、自分を独身者の方向に持っていきたがるのです。
そして、そのうち、女の子からは「彼女は?」などと訊かれることもあります。
その時に、私はせめてもの償い(?)に、
「あー彼女ね。あー、それはまあ、一応いるかなあ」
などと答えていたりします。
奥さんがいつのまにか「彼女」という存在に変わってしまっているのです。
ひどい話ですが、結局、どうにもキャバクラでは自分が既婚者だということを言いにくいという現実(ただの自分の心理の話ですが)を
とても感じたりするわけです。
最近、立て続けに同じような質問に対して同じような答えを返している自分が確かにいました。
キャバクラ嬢から見てみれば、この中年男が結婚していようが、バツイチだろうが彼女がいようがいまいが、
そんなことは全く関係のないことであるという事実は分かるのですが、それなのに、こういうウソをついている自分がいます。
キャバクラでの男性心理というものを考えずにはいられない事例であるとも言えるでしょう。
若い人たちは別にして、キャバクラでズラッと座っている、私を含めたあの中年たち。
あれらの多くが結婚してることは事実でしょう。ああいう人たちがキャバクラ嬢にどういうことを言っているのかがとても気になります。
それにしても、不思議だと思ったのは、「彼女がいる」と言った方が、「いない」と言ったよりも何だかウケがいいのです。
多分、これは「彼女がいる」男の方が危険性が少ないことによるものと思われるのですが、「彼女がいる」と思っている彼女たちは、
営業に関しても「電話だと彼女にわかっちゃう? それても、メールだと見られたりしてマズイ?」などと、やけに気を遣ってくれたりします。
そういうことを何回か経験しているうちに、最近では堂々と「彼女はいる。一緒に住んでいる」などと言うようになりました。
(堂々とウソをついているだけですが)
まあ、キャバクラでの会話などは定型もフリーもウソばかりではあるのですから、
どちらにも実害のないウソならばエエじゃないか、と思いたいところですが。
皆さんはどうしてらっしゃるのでしょうね。
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