元キャバ嬢との再会

  

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昨日、携帯に電話がかかってきて、取ると相手は知らない女の人でした。

(※以降、仮名です)

「これはNOFIAさんの電話ですか?」
「え? あ……はい」
「私、アミです」
「へ?」
「オーパスにいたアミです」
「えーと……」

オーパス(仮店名です。○○○店という表記では味気ないので)というのは、1年半ほど前に何度か行ったことのあるお店ですが、アミという人は知りません。

「えーと」
「ミサを覚えてますか?」
「あ、オーパスのミサちゃんですか? ええ、知ってますよ。1年半ほど前に何度か指名させてもらってましたから」
「同じ店にいたアミです」
「ああ、そうなんですか」
「NOFIAさんとは話したこともありますよ」
「ああ、そう言われてみれば……」(これは適当な相槌ですが)

話すと、いろんなことが分かってきました。
実は、会話に出てきたミサさんという方こそ、コラムにも出てきた「風俗に行っちゃった女の子」(「華麗なる転身/風俗編」)な んですけれど、このアミさんという方は、ミサさんのいくつも年上の人で、お店にいた頃、ミサさんにとても慕われていたそうなんです。何しろ、ミサさんは当 時まだ16歳。そして、聞けば、このアミさんという方は現在29歳。お姉さん的な存在として慕われていて、お店をやめた今でも連絡を取り合っているそうな んです。ちなみに、アミさん自身は別のお店で、現役でキャバ嬢をやっているそうです。

「で、どうしたんですか?」
「ミサがNOFIAさんと久しぶりに会いたがってるんです」
「はあ……でも、1年くらい連絡きてませんよ。大体、彼女、今何やってんですか?」(本当は知ってるんですけど)
「いっとき、田舎に帰ってたんです。で、その時にそれまでのお客さんとか友達の携帯の番号全部なくしちゃったんだそうです」
「はあ、なるほど。……って、じゃ、どうして、ぼくの電話番号をあなたが知ってるんですか?」
「ミサが東京に戻ってきて、私のうちに来た時にNOFIAさんの話になって、じゃあ私が電話番号探ってあげるって約束したんです」
「しかし……どうやって!?」
「私、オーパスの後、ルビーとエリーゼ(全部仮店名)にもいたんです。NOFIAさん、エリーゼにも行ってたでしょ?」
「は……はい」
「そこで、NOFIAさんを何度か見たことがあったから、その時に指名してた子に聞けば分かるかなって」
「エリーゼで指名っていうと、純子ちゃんですか?」
「そう。彼女に聞いたの」
「なるほど……って、ちょっと待て。何でミサちゃん本人じゃなくて、あなたがかけてきたんですか?」
「ミサ、またいなくなっちゃったから」
「はあ?」
「また、どっか行っちゃって、多分、携帯代払ってないんだろうけど、携帯も繋がらないの」
「ってことは……はあ?」
「でも、そのうちまたフラッと連絡してくるだろうから、その時にはまた連絡しますね」
「でもまた何で今頃……」
「NOFIAさん、去年、ミサがお店やめて全然お金ない時、よくご飯とか食べさせてあげてたでしょ?」
「たまにですけど」
「それで、やっぱり懐かしいみたい」
「今も彼女、お金ないんですか?」
「今はちゃんと働いているから大丈夫みたいだよ」
「ふーん……まあ、彼女とはいろいろあったから、懐かしくはありますけどね」

ちなみに「いろいろあった」といっても、何か色っぽいことがあったという意味ではありません。

ミサさんというのは、若いのに、とにかく波瀾万丈な人生を送っていた人なんですけど、それはともかく、前記したコラムにもあった通りに、私は現在、彼女が性感で働いているのを知ってしまっています。
彼女とまた会うこと自体は嬉しい……というほどではないにしても、確かに懐かしいし、楽しそうではあるんですけど、私が彼女の今の仕事を知っていることを言った方がいいのか、知らないふりをしている方がいいのか……。

もちろん、私自身はそんなことまったく気にしない人なので、ヘルスで働いていようが、ピンサロで働いていようが、それを変な目で見ることなどないし、まして偏見など全然ないんですけど、彼女が気にしたらヤだなあ、とも思いますし。

ふと、このアミさんという人はそのことを知っているのかどうかが気になりました。
私は何気なく彼女に訊いてみました。

「で、ミサちゃんは今、東京で何やってるんですか?」
「やっぱり、夜だけど」
「キャバクラ?」
「うーん……まあ、夜ですね」
「キャバクラではないんですか?」
「まあ、そんな感じかな」

知ってるんだなあ、と思いました。
ミサさんとは来週か再来週に会うことになるのかもしれませんけれど、その時にウソをつかないで、本当のことを言ってくれれば嬉しいなあ、と素直に思います。
そうしたら、末長い知り合いでいられるような気もします。
年齢差的に友達では決してないですけれどね。