キャバクラでの話題の定型
キャバクラで何を話せばいいのか
以前からちょっとだけ不思議に思っていることがあります。
私は何度か記しているようにバツイチなのですが、それをキャバクラ嬢に言うと、必ず、「子供はいるの?」と訊かれます。
社会一般の中ではそんなに訊かれたことがないので、キャバクラに行くと、ほぼ絶対のようにこの質問を投げかけられるのはどういうことなのかと、いつも思います。
答えは、
「いない」
と、これだけなのですが、
話の流れとしては、
「結婚してるの?」→「いや」→「独身?」→「つーか、バツイチ」→「子供は?」→「いない」
となることが多くて、いずれにしても「バツイチ=子供はいるの?」という問答がこうも執拗に繰り返される背景は何なのかを考えるわけです。
基本的には「バツイチ」と言ったら「ふーん」だけでいいのではないかと思うのですが……。
バツイチ自体は特に珍しいものでもないし、何より、私に子供がいようといまいと、キャバクラ嬢には何の関係もないことだとは思うのですが、この質問をされなかったことはほとんどありません。
まあ、要するに「話題の定型」ということになるのでしょうか。
キャバクラには「話題の定型」がある
考えてみれば、
「結婚は?」というのは明らかにキャバクラでの話題の定型です。そこに対して、
「してる」と言えば、そこで話は完結します。しかし、
「してない」と答えた場合に
「独身?」と訊くのも定型でしょうし、
「バツイチ」と事実を答えるのも当然のことです。
さらに、定型として、「子供は?」という流れになるわけなのでしょうが、この話題も大抵ここあたりまでで、例えば、
「それはタネが薄くてできなかったの? それとも避妊?」
とか
「子供がいると、養育費、慰謝料共にその後の事後処理が大変ね」
というようにつっこんでくることはあまりありません。
このように(どのようにだ)キャバクラの話題にはお客、女の子共に定型というものが存在します。それを逸脱して、初対面でいきなり女の子に「彼氏いるの? いないなら付き合おうよ」というような言動で対処するのはルール違反でもあります。
会話の運び方の一例
その「話題の定型」というものを考えてみたいと思います。
はじめての女の子につく時はお客も女の子も多少は緊張するものですが(女の子の方はよく分かりません)、いくつかのパターンを考えてみましょう。初めての女の子に初めて会った直後の会話だと思って下さい。
(客が会話好き、女の子が無口、の場合)
客 「おー、可愛いねー。いやー、今日はもう居酒屋で仕事の人と飲んじゃってちょっと酔ってるんだけど、もうちょっと飲みたいなーとか思って、いやふだんはあんまりこういうとこ来ないんだけど、いやー、でも君みたいな子に来てもらえるなんて、やっぱり来てよかったなー、っていうか、オレこう見えても結構マジメなんですよ」
女の子「フフフ」
客サイドの台詞に脈絡というものがありません。前後もバラバラですが、多少緊張している会話好きなお客さんにはありがちな逸脱です。
(まずホメとく)→(キャバクラのハシゴではないことを言ってみる)→(ふだんはあまり遊んでないと言ってみる)→(またホメとく)→(自分は性格が悪い人間ではないと言ってみる)
というような心理の流れになっていると思います。
また、
女の子が会話好きで、客が緊張している場合)
女の子「はじめましてー」
客 「いやいや」(何だかよく分からない返答です)
女の子「ここ初めてー?」
客 「ははは」
女の子「そうなんだー」
客 「そうね」
女の子「そうかー。お仕事帰り?」
客 「ま、ね」
女の子「はーい、じゃ、カンパーイ。はじめましてー!」
客 「いやいや」
と、さかんに照れているお客さんの様子がうかがえます。これも実際には会話にはなっていませんが、実力派の女の子なら、相手の話など実はどうでもいいので、このようにキチンと答えなくてもスムーズにコトは運びます。
では、やはりたまに見ることがある、次のパターンはどうでしょうか。
(客も女の子も無口な場合)
客 「どうも」
女の子「はじめまして、○○○です」
客 「……」
女の子「…………」
客 「………………」
女の子「…………お仕事帰り……?」
客 「……………………」
女の子「…………………………」
客 「…………いや」
女の子「え?」
客 「今日は………………仕事休みだから」
女の子「………………そう」
客 「…………………………」
女の子「………………………………」
客 「……………………………………」
女の子「…………………………………………」
という状態が1時間、あるいは2時間続くことになります。
これは冗談のようですが、見なくはないです。
会話がないと先には進めない
もちろん合間合間に女の子は「お仕事は何ですか?」とか「おいくつですか?」のように定型を交えながら話しかけてくるとは思うのですが、これらの答えはそれぞれ職業を言って年齢を言うだけで終わるので、どちらかが話題を発展していかないと先には進みません。
女の子「お仕事、何ですか?」
客 「デパート」
女の子「デパートの何ですか?」
客 「営業」
あるいは、
女の子「おいくつですか?」
客 「35」
女の子「えー、若く見えますね」
客 「あっそ」
だけで終わることになります。
以前、向かいのボックスに座っていた客と女の子が30分に一度くらいの会話しかしていない、 という光景を見たことがあります。
客は宙を見つめ、女の子はお客さんの横に寄り添っています。その状態で彫像のように固まっています。お客さんはつまらないのかというと、そうでもないようで、その証拠に彼は二度延長していました。30分に一度の会話が何なのかはわかりませんが、雰囲気としては、
客 「一緒に死のうか」
女の子「ええ」
という風に見えなくもない感じでしたが、実際にはこんなディープな会話などはしているわけはないでしょう。
所詮、
女の子「カラオケ歌っていい?」
客 「うん」
程度だと思うのですが、端から見ているとどうにも深い溝にはまりこんでいる二人、という風に見えるわけです。
まあ、本人たちがそれでいいというならそれでいいですが、ひとごとながら「あの二人は大丈夫か」と思わざるを得ない風景ではありました。
キャバクラでの会話のまとめ
やはり、定型を駆使しながら、無難に会話を楽しみたいものだと思います。では、定型とは何か?
(女の子から客)
・当店の経験の有無 (「ここ初めて?」がこれに相当します)
・年齢(聞いたら、その後に「お若いですね」というのが女の子サイドのルールです)
・お客の職業
・適度な賞賛
(客から女の子)
・容姿に関しての適度な賞賛 (「可愛いねー」がこれに相当します)
・年齢(「いくつに見える?」と訊かれたら自分が思うより3歳以上は若く言うのが決まりです。25に見えたら22くらいに。20歳前後に見えたら全部「18?」と言っておくのが無難です)
・前職、あるいは昼の仕事
・休日の行動 (「休みの日、何やってんの?」)
・就労経験年数 (「この店長いの?」あたりがそれです)
・嗜好、思索の追求 (「タレント誰好き?」とか「音楽聴く?」などです)
・出身
こんなところでしょうか。
お気づきでしょうが、これは初めての場合にだけ許される会話です。毎回毎回会うたびに年齢をきき、職業をきく人はいません。つまり、二度目以降はある程 度、共通の話題がなければ苦しいということになります。しかし、実際には、20歳前後の女の子との共通の話題などはあまりありません。
ルックスだけが気に入り、二度目以降も指名で行くということになると、大体は「嗜好、思索の探求」あたりに終始することになります。もちろん「口説く」という行為も入ってくるかもしれませんが、これも立派な定型です。
(口説きの定型)
・紳士的な場合→「付き合っている人はいるの?」→「そうか、いないなら、今度、食事でもどう?」
・あまり紳士的ではない場合→「彼氏いんの?」→「いないんなら付き合おうぜ」
・ぜんぜん紳士的じゃない場合→「やろうぜ」
という感じになりますが、どれが悪くてどれがいい、という判断はできません。お互いが良ければそれでいいわけですし、いくら口説いてもダメな時はどのパターンでもダメです。そういうものです。
ダラダラと長くなって、まとめる気力もなくなってしまいました。とにかく、キャバクラというのは第一段階としては「懇談しにいく場所」であることは事実であるわけなので、「オレ、話ダメだから」と言ってる場合ではありません。頑張って、会話を盛り上げる努力は必要です。
» トップページに戻る
Sponsored Link